「鏡で顔を見ると唇が腫れていて、膨らんでいた」「突然まぶたがむくみだした」・・・なんて事になったことはありませんか?そのむくみは、もしかしたら「クインケ浮腫」かもしれません。
クインケ浮腫(Quincke's edema)とは、組織の深い所でジンマシンが起きているようなもので、口や目の周り、手の甲などに起こるむくみの事をいいます。
自覚症状としては外観やはれぼったい感触程度で、かゆみ等はほとんどありません。むくみは通常数時間から数日間で自然に治まりますが、むくみが消化管に生じた場合は悪心や腹痛、気道に生じた場合は声が嗄れたり呼吸困難になったりすることもあります。 クインケを発症する年代は幼児から中年層までと幅広く、10年以上ぶり返し続けることもあります。高齢者が発症することはほとんどありません。クインケ浮腫は、血管神経性浮腫(Angioneurotic edema)とも呼ばれています。クインケ浮腫の「クインケ」とは、ドイツの内科医・H.T.クインケ(1842〜1922)の名からとられていて、クインケ浮腫は彼によって報告されました。
クインケ医師の報告の約40年前にも、別の医師がクインケ浮腫を明確に記録しています。この医師はアイルランドのグレイブスで、アイルランドに初めて聴診器を導入したことでも知られています。脈拍から診断を下すという方法を科学的に確立したのもグレイブスで、医師の姿として人々が思い浮かべる「脈をとる」姿の原点であるともいえます。
クインケ浮腫の原因はジンマシンと同じで、以下のようなものが挙げられます。
これらが誘引となって、肥満細胞から化学伝達物質ヒスタミンが分泌されます。そして、このヒスタミンがクインケ浮腫を引き起こすのです。
クインケ浮腫が発症したらまず、患部をあまり刺激しないようにしましょう。そして皮膚科の専門医に相談しましょう。口の中に出来た場合は、耳鼻咽喉科の専門医に診てもらうのも良いでしょう。
クインケ浮腫の治療は、ジンマシンと同じく、まず原因となるものを取り除くことが必要です。とはいえ、すぐには<クインケ浮腫の原因>で述べたような原因は思い当たらないかもしれません。その時は、病院でお薬を処方してもらいましょう。
また、クインケ浮腫が口や気管の中に出来て呼吸困難を起こした場合、気道確保が必要になる場合もあります。
クインケ浮腫は放っておいても自然に治りますが、早く直したい場合、抗ヒスタミン剤などで症状を軽くすることが出来ます。
抗ヒスタミン剤は、アレルギー症状を引き起こすヒスタミンが、細胞の受容体と結びつくのを防ぐことで、ヒスタミンの働きを抑え、症状を和らげたり予防したりする薬です。ただし、症状の原因そのものを治す薬ではありません。具体的には、塩酸プロメタジン・メキタジン・塩酸シプロヘプタジンなどの物質が抗ヒスタミン剤として用いられます。また、抗ヒスタミン剤は錠剤・散剤・シロップなど、様々な形で処方されます。
抗ヒスタミン剤を服用する際は、発疹・のどの痛み・口内炎・下痢・腹痛・めまい・頭痛・眠気などの副作用が起きることがあります。また、眼圧を上げてしまうので、緑内障の方は服用すると危険です。また、消化器が閉塞する症状を持っている方、肝・腎・循環器・血液・心血管の障害を持っている方、高血圧の方、他の薬を飲んでいる方も注意が必要です。
クインケ浮腫は原因を作らなければ、発症する確率は少なくなります。例えば、症状がでた時の状態をメモ程度に記録しておく習慣をつけると、原因究明にも、予防にもつなげる事が出来ます。
クインケ浮腫に似た病気はいくつかあります。ここではその中でも、遺伝性血管神経性浮腫を紹介します。
遺伝性血管神経性浮腫hreditary angioneurotic edema (HANE)は、遺伝的に補体の第一成分に対する抑制作用が欠如しているために起こるまれな病気です。この病気はクインケ浮腫とよく似ていますが、症状は重く、死亡率も高いです。
遺伝性血管浮腫には、クインケ浮腫に効いたような、抗ヒスタミン剤や副腎皮質ステロイド剤は効きませんが、アミノカプロン酸やトラネキサム酸系の薬剤によって予防出来る事がわかっています。
クインケ浮腫を中心的に扱ったHPはなかなか存在しませんので、クインケ浮腫を扱っているHPを紹介します。
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