
平成15年5月
最も一般的な貧血
鉄欠乏性貧血は女性に多くみられますが、性を問わず子供から大人まで誰もがこの貧血を起こし得ます。鉄は全身に酸素を送るヘモグロビンをつくるうえで不可欠で、不足すればヘモグロビンがうまくつくれなくなり全身に酸素が行き渡らず酸欠状態になります。この状態が長く続き、赤血球が小球化、低色素化(赤血球容積に対するヘモグロビンの割合が減少)した状態が鉄欠乏性貧血です。
症状としては、一般的な貧血でみられる動悸、息切れ、立ちくらみ、だるさなどの他に、鉄欠乏性貧血にのみみられる舌炎、爪がもろくなる、物が飲み込みにくくなる、女性では無月経になることなどがあります。この貧血は日ごろ、特に妊娠など鉄分を余計に必要な期間は鉄分を多く含むレバーや干しぶどうを食べることや鉄剤を服用することで予防できます。
原因はさまざま
女性は月経をはじめとし、分娩での出血、妊娠中と授乳において子供に鉄分をとられるなど鉄不足の状態でいることが多いため、鉄欠乏性貧血は多くみらます。
子供の場合は急激な成長で蓄えられていた鉄(フェリチン)が消費尽くされたためや鉛中毒で生じたりします。
閉経後の女性や男性の場合は、体内、特に消化器官で出血している可能性が高いので、もしこの貧血の症状に思い当たることがありましたら血液検査、精密検査を受けることをお勧めします。
この他には食品中の鉄分不足や胃腸の粘膜の異常による鉄分吸収不足が考えられます。
鉄代謝
私たちは体内で鉄をつくることができないので外部から取り入れる必要があります。吸収された鉄はフェリチン(鉄と結合する蛋白質、貯蔵鉄)として肝臓に貯蔵されているか、血液中にヘモグロビン鉄(ほとんどが赤血球に含まれている)として存在しています。尿、便や汗から鉄分は常に排出されるので、その分の鉄分を補給しないといけません。が、不足してもはじめはフェリチンが使われ、ヘモグロビン鉄は一定に保たれるために貧血の症状はでません。血液検査でこのフェリチンの減少で鉄欠乏性貧血を早期に発見することができます。しかし、さらに鉄が不足するとヘモグロビン鉄が失われるので血液中の鉄濃度、ヘモグロビン濃度が減少し鉄欠乏性貧血が生じます。
鉄剤
鉄剤は副作用として吐き気や下痢などの胃腸障害を起こしやすいので食事中や食後に服用すると良いです。ビタミンCは鉄の吸収を良くしますが胃腸障害を悪くすることがありますので、胃腸の弱い方は同時に摂取しない方が良いでしょう。徐々に胃腸で鉄を放出する徐放鉄剤などもありますが、それでも副作用が強い場合には小児用のシロップ状のものや静脈注射で鉄を摂取する方法がありますので主治医や薬剤師にご相談されることをお勧めします。
読んで頂いた方々へ
このページはどの方にも鉄欠乏性貧血を少しでも理解してもらえればと思いつくりました。このページやこれからご紹介するホームページで少しでも症状が良くなられたら光栄です。以下にこの貧血に関するホームページをいくつかご紹介しますのでぜひご覧下さい。
参考資料
ステッドマン医学辞典改訂第4版(メジカルビュー社、1997)
ホーム・メディカ家庭医学館(小学館、1999)
ランダムハウス英和大辞典第2版(小学館、1997)
http://www5b.biglobe.ne.jp/^yakugaku/anemia3.html
http://akimichi.homeunix.net/^emile/aki/medical/hematology/node50.html
http://www.j-health.jp/main/trail/j-kusuri/ketsueki/02/ketsueki02.html
ホームページURL集
医薬品情報
- 医薬品機構
法律に基づいて厚生労働大臣の認可を受けた法人のホームページです。医薬品の副作用による健康被害の救済や薬の相談を行なっています。鉄欠乏性貧血の患者さんに処方される薬の解説などが詳しく、またリンク紹介も充実してます。
- 医療関係者向け情報-ブルタール
中外製薬のホームページからです。医療関係者向けに作られてあり、静注用鉄剤ブルタールの添付文書が載っています。臨床成果や使用上の注意などこの薬の詳しい情報を見ることが出来ます。
- 発掘!やくやく大事典 【 血液作用薬 貧血治療薬 】
医療従事者向けのサイトです。薬に関するあらゆる情報が載っています。また、検索できるカテゴリも豊富です。
研究
- Blood Search
全文が英語で書かれています。血液に関する学会の論文や雑誌に載った記事が紹介されています。内容は高度で専門的です。もちろんIron Deficiency Anemiaに関する論文も数多くあります。
- 血液病学
鉄欠乏性貧血の概念から原因や起こる仕組み,治療方法まで一連の情報が得られます。少し専門的です。
- 思春期の栄養性貧血
東京都予防医学協会年報の第31号の内容を載せたページです。二葉栄養専門学校講師の今井久美子氏が栄養面から思春期の食事の重要性について述べています。
- 第六章 鉄欠乏
少し古い資料(1998年)ですが、貧血が起こる過程、原因や症状だけではなく鉄欠乏の有害作用についても解説されてあり、専門的な知識を得ることができます。
- 鉄代謝 iron metabolism
専門用語が多く少々分かりにくい箇所もありますがどうして鉄が不足してしまうのかや体内での鉄の働きを血液学に詳しく著書もたくさんある立川彰道氏が解説しています。また鉄欠乏性貧血に関する他の項目もあります。
治療
- 鉄欠乏性貧血治療のポイント
鉄欠乏性貧血が取り扱われている現状を述べ、そのことへの批判を述べつつこの貧血の詳しい解説がされています。血液・免疫学に詳しい医師による解説です。
- 鉄欠乏性貧血とくすり
元虎ノ門血液科非常勤嘱託で日本内科学会専門医である川越正平氏によるサイトです。鉄欠乏性貧血の解説と様々な薬の紹介がされています。
専門医情報
- 東京女子医科大学附属第二病院
地域連帯医療に関するページ、様々なタイプの患者向けのページなどが展開されています。関連リンク、病気と医療に関するページもあります。たくさんの情報を得ることができるのではないかと思います。
- 東大阪市立総合病院
小児科と内科それぞれに日本血液学会認定血液専門医がいらっしゃいます。
- 同愛記念病院
元は社会福祉法人であるため地域住民を対象にした地区の中核病院としての位置を占めています。関連リンクの紹介はなく少々病院のPRが主になっています。
- 日本赤十字社医療センター
隣接する東京都赤十字血液センターと協調しています。移植から免疫療法、ターミナルケアまで、最新の治療と診断が特長です。
総合
- 【healthクリック】貧血・めまい
NTT DATAが運営するサイトです。貧血の解説からサプリメントや漢方の紹介、チェック項目などさまざまな情報を検索できます。
- 0132・IDA
公立能登総合病院血液内科のホームページから目次を経て見られます。患者さんとその家族向けに作られています。疾患概念と治療について解説されてあり、少々本文が長い気がしますが、分かりやいホームページになっています。
- パフォーマンスアップのための栄養実践講座 その6鉄欠乏性貧血を予防する-スタミナを維持する-
著作権は森永製菓株式会社健康事業部にあります。管理栄養士である小清水孝子氏によるものです。運動選手の栄養管理をされているため選手向けに書かれている文章はありますが、大変分かりやすいページです。
- ヴァイタル家庭医学事典
貧血が起こる過程から治療方法までが簡単に家庭向けに説明されています。さまざまなサイトの紹介も充実しています。
- 健康ネット 健康づくり情報 栄養・食生活 ミネラル
財団法人健康・体力づくり事業財団の健康ネットからのページです。日本医科大学第二生化学教室教授の吉野芳夫氏が中心となって体内での鉄の働きを踏まえた上で鉄欠乏性貧血の解説がされています。健康情報調査委員会委員長の細谷憲政氏によって監修されています。
- 貧血に良い食品は?
グリーンハートが運営するサイトです。鉄を多く含む食品や献立例、食生活のポイントなどが紹介されています。
病気の説明
- 鉄欠乏性貧血
土川内科小児科からのページです。鉄欠乏性貧血の解説、血液に関する基礎知識、血液疾患へのアプローチなどが書かれてあります。また血液関連サイトも充実しています。
- 鉄欠乏性貧血が起こる仕組み
薬剤師岡本和博氏によるサイトです。鉄欠乏性貧血が起こる仕組みを図を用いてとても簡潔に説明されてあります。トップページにはリンク集やお勧めのサイトが紹介されてあります。
予防
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