平成14年4月
東京薬科大学  横地貴司
看板

病因

 

ヘモグロビンの構成成分である鉄の体内含有量が減少するため、ヘモグロビン合成が低下して起こる貧血である。鉄欠乏状態になる原因は、@摂取・吸収量の減少A需要・喪失量の増大量。@の原因としては、ダイエット・偏食などによる低栄養と、鉄の主な吸収部位である十二指腸や小腸上部(空腸)の切除術後などがあげられる。Aの原因としては、成長・妊娠などによる需要の増大と、出血(月経・出産・消化管の潰瘍:痔、癌など)が主なものである。本症はとくに思春期や中年の女性に多いが、前者は成長・月経・節食など、後者は月経・妊娠・出産が主な成因である。

症状

 

貧血の一般症状として、皮膚や可視粘膜の蒼白、全身倦怠(だるい・疲れやすい・気力がない)などがある。これらの他に、鉄欠乏に特有な症状として、組織内鉄の欠乏により起こるさじ爪、口角炎、舌炎などがある。まれに異常な物(釘、土など)を食べる異食症がある。

治療法

 

鉄剤投与による鉄補充が基本的治療法である。投与法に経口と非経口(静注)があるが、経口投与が原則的なので、経口鉄療法のみ書きました。

経口鉄剤には無機鉄(硫酸第一鉄など)と(フーマル酸鉄など)がある。2価鉄イオンの方が3価鉄より吸収が良いのですべて第一鉄化合物である。製剤として、鉄が胃でただちにイオン化するものと、胃や十二指腸で徐々に放出されイオン化する除放剤がある。後者の方が、副作用が少ないことや吸収率が高いこと、そして、一日一回の投与でもよいなどの利点があるので、今日では大部分徐放剤が用いられている。鉄として通常約100mg/日投与する。空腹時の方が鉄の吸収率は高いが、副作用の可能性も高い。徐放剤では通常就寝前に投与することが多い。投与後、通常約2ヶ月で貧血は回復するが、貯蔵鉄を満たすため、さらに3−6ヶ月間投与を続ける。副作用として、食欲不振、悪心、嘔吐、腹痛、下痢などの消化器症状がある。

 

参考資料

 症状から見た臨床病態学(片山 敬・谷口 洋編集、廣川書店、1990)   http://www.pureness.co.jp/c_bad/e03_blood/dw.htm    http://www.naoru.com/hinnketu.htm  http://isweb18.infoseek.co.jp/school/xakimich/hematology/node4.html  
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